季節の行事には昔ながらの意味のある風習やマナーがあり、中でもお正月飾りについては昔ながらの日本の習慣でもあり、ひとつひとつの意味もとても奥が深いものです。
贈り物としてプレゼントするにしても、迎える側として玄関に飾るにしても、ただ飾っているだけではなく、意味を理解する事で気持ちも変わってきます。
本記事では、1年の始まりのお正月に花を贈ったり飾ったりする際に、知っておきたい意味やマナーを覚えておくことで花選びや贈る時期を考えるお手伝いになればと思っています。
お正月に花を飾るために知っておきたいことは?
人は、お祝い事やおめでたい時などに、場が華やぐように様々な花を飾ります。
お正月も町のあちこちで花が飾られていますよね。
なぜ飾るかと尋ねられたら、「年の初めだから」「毎年の習慣だから」などの答えが返ってくると思います。
そこで!
- 正月飾りはいつから飾るの?
- 正月花とは?縁起がいい花は?
- いつまで飾るの?
などの豆知識をまとめました。
知っておきたい日本の心もお伝えできれば良いな、と思います。
正月飾りはいつから飾るの?
お正月は年神様をお迎えするために飾るものです。
なので、12月13日から「正月事始め」の準備期間とも言われているんですね。
えっそんなに早く飾るの?と思いますよね。
それは、違います。
門松に使う松や竹は山に入って、採りに行かなければいけません。
注連縄も藁が必要なので、それも準備しなければいけません。
準備が出来ても、出来上がるのは時間がかかります。
なので、
今は、クリスマスの時期という事で、早めのかざるとクリスマスとお正月が一気に来たと言う感じになるので、クリスマスが終わってから飾ると良いですね。
12月28日までに正月の花を飾るのはなぜ?
なぜ28日までに飾らないといけないのかしら?
それは、29日~31日に飾るのは、縁起が悪いと言われているからです。
- 29日:「二重苦」に通じるため。
- 30日:旧暦の「大晦日」にあたる。
- 31日:一夜漬けで縁起が悪い。年神様を迎えるのに失礼にあたる。
と昔から言われているのです。
昔の人の言い伝えなどには、健康の知恵や生活をより豊かなものにするためのノウハウが詰まっています。
ただでさえ師走で忙しい日々が続いた後の年の瀬です。
さらにお正月の準備でバタバタとして身体に無理をすることがないように、早め早めを心掛けるようにしましょう。
正月花とは?縁起がいい花は?
正月飾りや注連縄(しめなわ)が準備できると、あとは生花の華やかさが欲しくなりますよね。
お正月に飾るお花って、どんな花が良いのかしら?
花屋さんなどお店を見れば様々な正月花が出ています。
28日までには準備したいものですので、前もって買うお花をイメージしておきましょう。
正月花に適した縁起がいい花まとめ
やはり定番は『松・竹・梅』です。
松・竹・梅は正月花としては基本の花ですが、どのような意味があるのでしょうか?
一年中葉を落とさない意味で、「永遠や繁栄」を象徴されています。また、松は「常盤木」と言われ、神様が宿る木と崇められてきました。
さらに松には「祀る」と言う意味があり、しかも神様を「待つ」と言う語呂合わせもあって門松には松を飾ります。
竹は一年中枯れる事なく、常に青々としていますね。
それに成長も2~3年で大きくなり太く真っ直ぐ育ち、どんなに天候が荒れてもしなやかに負けない姿が「生命力」「健康」「成長」などを表しています。
梅が咲く時期は2月頃ですが、この時期は、雪や寒風の時期です。その時期に真っ先に咲く事で、春を告げる花と言われています。
また梅の花は「繁栄」を表す意味から、古来から縁起がいい物とされていますが、この時期の梅の花は希少なので、他の花を使っても良いようです。
松竹梅の他にお正月花に最適な花材です。
生け花やアレンジをして玄関やリビングなどの目に付くところに飾るのも素敵ですし、一輪挿しなどにさりげなく飾るだけでも映える生花です。
梅の切り花が手に入らない場合は、菊や蘭を代わりに飾っても良いです。
ただ菊の花を使う場合、気を付け欲しい事があります。
それは、【輪菊】【小菊】です。この2点は、お供え用に使われる菊です。もし正月花で使う場合は、大菊などを使うと良いでしょう。
蘭は存在感があり華やかな花です。高価ですが、少ない本数でも映えるのでおすすめです。
南天は「難を転ずる」と言う意味があるので縁起がいい物です。
千両は名前から見てもおめでたい名前ですので、こちらも縁起物です。
どちらも寒い時期に赤い実がなり、生け花など飾るには彩りとして華やかさを出してくれます。
幼い頃、母にこの花の名前を尋ねたら「花キャベツ」と教えられ、結構なオトナになるまで間違えて覚えていた私。年末年始にこの花を見る度に思い出します^^;
葉牡丹には紅白の2色があります。
なので、縁起がいいとされて正月に飾る葉に使われています。
真冬の時期に咲く花という事で、正月花に使われています。
どちらも花そのものが和のイメージですので、お正月にピッタリです。
一輪でも華やかですので、好きな部屋にさりげなく飾るのも素敵。
薔薇の花は見た目にも華やかで咲いている時期も長いという事で、「長春花」とも言われています。
おめでたい花とされているので、正月花にはふさわしい花ですね。
洋風のイメージですが、一緒に添えるお花次第で『和』のテイストにすることができます。
若い世代の人達は、実家に帰ったり旅行などで年末年始は自宅にいないことも多いですよね。
なかなか機会がないかもしれませんが、生花を飾ることでお家の中がお祝いの雰囲気が出ますので、帰省の前後の自宅を彩るためにも生花を用意してみませんか?
お正月の花を花卉に飾るコツは?
さて、お正月の花の意味も理解できたと思いますので、今度は、正月らしい花卉を探し飾ってみる楽しみがありますね。
自分で正月花を生けてみるのはいかがでしょうか。
アレンジなど楽しんで飾るのが一番です。
自分で飾りつけするならやはり、見栄えです。
正面から見て綺麗に飾っているだけでも、見た目が違います。
そこで、お正月の生け花を飾るコツですが、
・花の高さが同じように並ばせない事。奥行つける感じにしてみましょう。
・生花の下の部分を万両や千両にするだけでも、華やかさが出て来ます。
・柳類を使い曲げて動きのある感じにしてみましょう。
・松が倒れないようにしっかりと立てる事。松が倒れると縁起が良くありません。
後は、松脂が付くので濡れぞうきんを用意しておくと良いですよ。
このお正月には自分で花飾りをしてみませんか。
お正月の花材の相場は?
ただ、花代の値段はいくらくらいがいいのか悩みますね。そこで、調べてみました。
さて、お正月の花代の最低金額は、
になります。
それ以下と言うと、値引きされた値段になります。
お正月用の切り花の種類にもよりますが、実は、1000円前後の花は、華やかさにはチョットかけてしまいます。
お正月の花材の値段はどのくらい?
もし、1000円の切り花を購入しても華やかさがないと言う事で他の花を追加すれば、最終的に3000円位はかかることが多いでしょう。
お正月の切り花を購入する際には、単品で購入するよりもセットで買うと割安になっていることが多いので、そちらをおススメします。
お正月にプリザーブドフラワーはOK?
最近では、プリザーブフラワーのお正月飾りもあります。
プリザーブフラワーは、花の管理はやる必要が無いので、気軽に飾れるて置けるので場所は取りません。
しかしながら、
【年神様を迎える花ではない】
と思われる方々も多いということも、一応お忘れにならないで下さい。
手入れ面倒な部分もありますが、お正月を迎えるにはやはり、生花が一番と思います。
お値段も張りますが、お正月は一年の事初めです。
華やかに迎えたいですよね。
手間がかかるのはちょっという方、気を悪くされる方がいらっしゃらない場合には、プリザーブフラワーはおススメです。
お正月飾りや正月花。いつまで飾るの?
正月飾りや正月花っていつまで飾ればいいの?
一般的には1月7日までが松の内とされていますので、松の内の期間中は飾っておきましょう。
ただ、地域によっては松の内が1月10日までだったり15日の小正月までと様々。なので、その地域に風習にならっておく必要がありますね。
飾り終わった正月飾りや正月花は?
飾った後は、神社へ納めたりどんど焼きで焼いてもらった方がいいですね。
今ではどんど焼きも環境問題などで中々出来ませんが、本来は「一年間の健康でいられますように」と願うための行事でもあるんですね。
それでも、納める事ができない場合は、塩で清めて新聞紙などで丁寧に包みゴミとして出すと良いでしょう。
喪中忌中の時、正月飾りや正月花はどうしたらいいの?
喪中や忌中の時、お正月の飾りや正月花ってどうしたらいいの?
とその前に、忌中と喪中について知っていますか?
忌中は神社に、喪中はお寺に関係します。
お葬式や葬送の儀式では、仏教は四十九日、神道では五十日際があります。
そこを覚えておきましょう。
つまり、喪に服す期間は、忌みが明けてから3カ月は故人を偲び静かに過ごす期間なので、忌が明けていない期間は、お祝い事や初詣、年末年始の挨拶は遠慮しましょう。
ただ、喪に服す期間が明けていれば、お祝い事や初詣、年末年始は例年通り行っても良いでしょう。
さて、正月飾りや正月花は年神様をお迎えし、旧年中を無事に過ごせたことを感謝する意味でもあり、新年をお祝いするためです。
なので、旧年中に不幸があった場合、喪中や忌中は正月飾りや正月花を控えるのが一般的ですが、先ほども書いた通り、喪に服す期間が明けていれば例年通り新年を迎えていいです。
それでもと言う場合は、門松や注連縄などの飾りは避け、正月飾りや正月花は華やかさを控え目にすると良いですね。
意味を知ることでプレゼントも玄関飾りも華やぐ
正月飾りと正月花についていかがでした?
お正月飾りについては昔ながらの日本の習慣でもあり、ひとつひとつの意味もとても奥が深いものです。
プレゼントとして持参するにしても、迎える側として玄関に飾るにしても、ただ飾っているだけではなく、意味を理解する事で気持ちも変わってきます。
いかがですか?
今年から飾る正月飾りもいつもと違った新年を迎える事ができそうですよね。
親から子へ、いつまでも伝えていきたい風習として残しておきたい伝統行事の一つです。